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いびきの歴史
A 世界のいびき
英語 snore・snoring:フランス語 ronfler:ドイツ語 schnarchen:イタリア語 russare:スペイン語 ronquido:ポルトガル語 ronco:ポーランド語 chrapać:ロシア語 храпеть:ウクライナ語 хропіти:中国語 鼾:モンゴル語 хурхирах:アラブ語 شخير:スウェーデン語 snarka:デンマーク語 snorke:トルコ語 horlama:ベトナム語 ngủ ngáy:ヘブライ語 לִנְחוֹר:ラテン語 stertere:韓国語 코골이:ブルガリア語 хъркане:ハンガリー語 horkolás:フィンランド語 kuorsata:アイスランド語 hrjóta:ルーマニア語 sforăit:ギリシャ語 ροχαλίζω:ネパール語 खर्राटे:ハワイ語 ʻūlū:タガログ語 hilik
全世界のいびきの言葉をまとめました。約30の国や島の「いびき」に関する言葉です。30の言葉があり、全部違うのはあたりまえですが、結構近い国でも言葉が違うのでびっくりです。
B 日本のいびき
1)「いびき」の語源
「いびき」は平安時代に編纂された最古の漢和辞典である「新撰字鏡」にもでてくる古い言葉です。「いぶく(息吹)」でそのいぶくがひびき渡るところから、いびきというようになった様です。
2)いびきの漢字
いびきの漢字は「鼾」です。画数は17画で、鼻部に分類され、音読み「かんxがん」で訓読みが「いびき」です。漢字では鼻+干=鼾なので、漢字源によると、いびきの音が干「はん」という音に似ていることからの擬声語ともいわれています。他に漢字を調べると、伊比支、以比木、鼾、齁、又、鼻息、鼻鼾、唾息、鼾声、打呼、混沌譜、雙門曲、華胥調等があります。
3)いびきの方言
いぐすり | 山梨、静岡 |
いぐち | 静岡志太郡、壱岐「イグチかく」 |
いごろ | 八丈島 |
えぐち | 高知県幡多郡 |
ごしばな | ① 鼻汁 新潟、福岡県博多 ② 大いびき 南島糸満 |
ごと | 群馬県勢多郡横野(あるいは、ことけーす) |
ごろ | ① 猫の鼾 福井県坂井郡 ② いびき 富山、愛媛県大三島 |
ごろた | 愛媛県周桑郡 |
ごろたひく | 兵庫県赤穂郡 |
どろかき | 奈良 |
ねぐすり | 埼玉県秩父郡 |
ねぶき | 埼玉県入間郡 |
はなおと | 青森、秋田、岩手、宮城県登米郡 |
はなぐら | 仙台、常陸、宮城、福島、栃木、茨城県真壁郡「ハナグラをかく |
はなぐるま | 埼玉県幸手(あるいは、はなぐら) |
はなびき | 秋田県平鹿郡、岩手県釜石、宮城県玉造郡 |
はなふき | 南島八重山 |
ひびき | 愛知県碧海郡、和歌山県那賀郡、京都府何鹿郡 |
参考)東条操(東京大学講師)編纂「全国方言辞典」東京堂他
4)いびきをかく
いびきをかくという「かく」はよく使われる恥をかく、世話をかく、あぐらをかく、等々と同義です。大言海には「かく」の意を「構え作る」「編み為す」「身に受く」などとあります。大日本国語辞典には、「為す」「あらわす」と解してあります。其の他「字をかく」「絵を描く」等あります。中国では、いびきをかく事を打呼呼(ターフーフー)と言うそうです。また、寝入ったふりをしてかく「いびき」を空鼾(ソラxイビキ)ともいいます。高鼾(タカxイビキ)は音の大きいいびきで、ぐっすり寝入っていることで、「騒ぎをよそに高いびきをかく」という使い方もします。
例1) いびきをかく者は夜聡し:いびきをかいて寝ている人は、少しの物音や気配で敏感に目を覚ますと
例2) 白河を夜船で渡る高いびき:いびきをかくほどにぐっすり寝ていたため記憶が全くないこと
参考)池松耳鼻咽喉科 院長 池松武之亮著 いびきで困らない本 もう、これで嫌われない! ベストセラーズ1982年6月出版pp40-50
C いびきの言葉
●いびきとは、睡眠中に鼻や喉等が狭まるため、呼吸に伴って出る音。参考)厚生労働省e-ヘルスネット(健康用語辞典)
●いびきとは、睡眠中、呼吸に伴って軟口蓋が振動し、鼻や口から音を発すること。またその音。睡眠によって軟口蓋の筋肉の緊張がゆるむことによっておこる。参考)精選版日本国語大辞典 小学館 新撰字鏡pp898-901
●いびきとは、睡眠中に呼吸に伴い軟口蓋や咽頭側壁粘膜が振動するために鼻や口から出る雑音。参考)ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典より抜粋
●いびきとは、睡眠中の呼吸により起こる荒くて騒がしい雑音。参考)日本大百科全書 小学館より抜粋
●いびきとは、睡眠中に鼻やのどで生じる荒い音。参考)MSDマニュアルより抜粋
●いびきとは、眠っているときに呼吸とともに鼻や口から出す雑音。参考)Oxford Languages-Google
●いびきとは、睡眠中、呼吸に伴い鼻や口からうるさい音をだすこと。またその音。参考)デジタル大辞泉 小学館
D いびきの音
学術的に世界ではじめて本格的に「いびき」の研究をしたのは、池松耳鼻咽喉科院長の故池松武之医学博士です。池松先生は大分県の竹田中学出身とのこと。私の叔父の大久保嵜夫も竹田中学出身で、慶應義塾大学呼吸器外科にて、国立がんセンターの石川七郎総長や、私の恩師の末舛惠一総長とともに3人で肺小細胞がんの定義をしました。年齢的にも叔父と池松先生は同じぐらいで、竹田地区では祖父大場亀吉が創立した大場病院(現大久保病院)が今でも一番大きいので、池松先生は、もしかしたら、大場病院を受診したことがあるかもしれません。縁を感じます。
さて、池松先生によると、いびきには、いろいろな音があり、ズーズー、グーグー、ガーガー、ゲーゲー、ズートンズートン・・・・・・とじつに様々とのこと。池松先生は、これらの音を収集しながら、以下の分類をしました。
猛獣型 | これにはふたつの型がある。大森林のなかで聞く、猛獣の「グォーッ」という咆哮に似た“咆哮型”と、動物園の檻のなかで、多少威嚇性をふくんで「ウォーッ」と叫ぶ“檻のなか型“と。いずれもすさまじい音響で、破れ障子をビリビリふるわせるほどである。 |
ナイヤガラ型 | 滝の落下時に起こる「ゴォーッ」という音。近くで聞く滝の音に似たものを「ナイヤガラ型」、遠くで聞くそれを「雪崩型」としている。 |
国電型・地下鉄型 | これは「ゴオーッ」というナイヤガラ型に若干、金属音をまじえているもので、より強い音のほうは地下鉄を思わせる。 |
牛鳴型 | 牛の悲鳴のように「キューッ、キューッ」という音を出す |
雷鳴型 | 「ゴロゴロゴロッ」と、雷が鳴っているような音 |
食用ガエル型 | 「ゲーッ、ゲーッ」と、さながら食用ガエルの鳴き声。これに対して、ふつうのカエルの鳴き声のように「ゲ、ゲ、ゲ・・・・・・」と鳴らすいびきもある。こちらはカエル鳴き型。 |
しゃぼん遊び型 | 子どもがビンのなかなどに石鹸水を溶かして、ストローでブクブク吹く。あのときに起こる「ボコボコ」というアワの破裂音にそっくり |
風鈴型 | もちろん、風鈴のように「チンチン」と澄んだ音楽的な音色をひびかせてくれるいびきはない。これは風船のこわれかけたときに起こる音で、「チンチン」にいくらか雑音のはいったもの。 |
鈴虫型 | 鼻の奥のほうで「チロチロ」と鳴っている |
松籟型 | 松の梢をわたる風の音に似て、「シイーッ」「シャーッ」という音を出す。これは、いびきと呼吸との中間ともいえる音である。 |
雨だれ型 | 「ポトポトポト」と、陰気な音をたてつづける。 |
夕立ち型 | 読んで字のごとく「ザーッ」と夕立ちのような音をたてる |
ふいご型 | 鍛冶屋がふいごを使うときに出す「シャーポカ」という音 |
火吹き型 | 火を吹くときに出る「フウーップッ」というような音。「プッ」は、英語の発音記号の「P」を発音するときの、あの唇の状態の時に出る音である。 |
しのび笑い型 | 「クスクス」と一晩中笑っているような、へんないびき。 |
エンスト型 | 呼吸が止まったかと思ったら、急にまた「クックックーッガーッ」とやる |
マンホール型 | 「ゴホゴホゴホッ」とマンホールから水があふれてくるような音。 |
このほか、渚型、せせらぎ型、虎呼(もがり)笛型、湯わかし型、荷車型、台風型、機関銃型、ジェットコースター型、爆音型、オートバイ型、小言型、読経型、悲鳴型等があるそうです。もっとも、一人の人がつねにひとつの型だけということは少なく、いろいろな型を混合していたり、ひとつの型から他の型へと変化していくこともあるとのことです。これは単純性いびきから当時知られていなかった閉塞性睡眠時無呼吸のことをいっていられるのだと思います。池松先生の思い出では、オートバイ型で思い出すエピソードがあり、ある晩、パトカーがけたたましくサイレンを鳴らしながらやってきて、停まったところは、医院の前で、池松先生が、あわてて起き出してみると、「ご近所の人から、異様な音がするという110番があった」と警官が言ったそうです。原因は、院内に入院中の一老人のいびきであり、その老人のいびきの音がオートバイ型だったとのこと。近所の人が寝ぼけ半分で、この音「オートバイの爆音に近い音」に驚き通報し警察がきてしまったとのことです。以上のような分類のほか、いびきの発現時間によって、「たちまち型」「いざよい型」「ねまち型」「あかつき型」「徹夜型」などとわけることもできるし、これらを「連続型」「間歇型」とわけることもできる。また、呼吸の吸うときに起こるか、吐くときに起こるかによって、「吸気時型」「呼気時型」「往復型」とわけることも可能であると、池松先生は書いています。さらに、一歩いびきの原因にまで踏みこんで、「開口型いびき」(咽頭性いびき)「閉口型いびき」(鼻性いびき)、あるいは「飲酒いびき」「中毒いびき」「疲労性いびき」「おんぶいびき」などにも分類できるとのことです。睡眠時無呼吸の概念ができていない時代にいびきを研究され、現在の第一線に近いところまで研究されたということは、研究者として池松先生を大変尊敬しています。尚、睡眠時無呼吸になってしまった方のいびきの特徴は、以下になります。
~(閉塞性)睡眠時無呼吸のいびき音の特徴~
●暫く止まっ他後に「ガガッ」という音とともに再開する。
●朝までずっと続く
●最近になり急に大きくなり、音も変わった
●仰向けになると大きくなる
●音の強弱がある
参考)池松耳鼻咽喉科 院長 池松武之亮著 いびきで困らない本 もう、これで嫌われない! ベストセラーズ1982年6月出版pp117-21
E いびき話
●宇宙でのいびき
スペースシャトルで宇宙飛行を行った毛利衛さんが帰国後に「過労時には必ずいびきをかく習慣があったが、同乗した飛行士によると、無重力の宇宙空間では全くいびきをかかなかった」とのことでした。無重力の状態では筋弛緩による上気道狭窄(舌及び周囲の組織が重力により下に落ちること)が起こらなかったという証明になりました。
●ギネスブックに載ったいびき
英国人メルヴィン・スウィッツァ氏は、音を計測する装置から約30cm離れたところで、87.5dBのいびきを記録とのこと。この音のレベルは、渋谷のハチ公前の交差点付近の騒音と同じぐらいとのことです。
●動物のいびき
いびき博士池松先生が残したテープには、犬、猫、ゴリラ、ライオンなどのいびきがあったそうです。日経新聞(1991年8月1日)にクジラのいびきのお話が載ったそうです。オーストラリアのビクターハーバーという海辺の町の住民は夜になるとクジラの猛烈ないびきに悩まされ、睡眠不足に陥っているという記事です。鯨は起きている時は、5分毎に呼吸を繰り返すので、大きな音を出しませんが、睡眠中は鼻を水面上に出して、30分に一回程度しか呼吸をしないので、轟音を立ててしまうそうです。30年前のお話なので、再検証の必要性はありそうです。
●いびきによる騒音障害事件
1993年10月に九州にある精神科の病院で、同室に寝ている患者さんのいびきがうるさいのでよく眠れず、殺人事件をおこしたというニュースがあります。米国でも、妻のいびきで長年悩まされていた夫が妻に対する殺人事件をおこし、刑務所に送られる道中で「ああ、これでやっと静かに眠れる」とうれしそうにつぶやいたといいます。
朝日新聞(1993/3/11大阪)より、関西の公立大学の入試の際に、「試験監督官のいびきでヒアリングが聞き取れなかった」と受験生家族より抗議があり、調査した結果ではいびきと断定はできなかったが、まわりの受験生からうるさくて聞こえにくかったとの声もあり、当初不合格とされていた受験生数名を追加合格措置をしたとのことです。担当教官は居眠りを否定したそうですが、池松先生によると、もしこの教官が睡眠障害を持つ患者であれば、こういう現象は起こりうることとのこと。睡眠障害がひどくなると、本人の意識があってもことっと眠ってしまい、大きないびきをかいていることがよくあります。30年前の記事ですが、今でも当然ありうることで、睡眠時無呼吸のあるかたは、このような監督官や検査官等のチェックする関連の仕事は職業ドライバー含め注意が必要で、できれば家族にいびきを指摘された時点で、睡眠時無呼吸の検査が必要です。
関東の大学付属病院で起きた「安楽死」事件(1994年11月7日毎日新聞)から、被害者の家族から、「途中略:いびきを抑えて、自然の寝息にして息を引き取らせてほしい」との依頼があったそうです。しかし、この記事に書かれていましたが、このいびきをかいている本人は意外にも苦痛には感じていなかったそうです。
●日本古典からのいびき話
1)清少納言
「あながちなるところ 隠し伏せたる人の いびきしたる いと憎く すざまじきもの」(『枕草子』より)
この話は男性のいびきを女性が嘆いたものです。いびきは、清少納言の時代もこんなふうに書かれるほどの騒音として、そして、女心を踏みにじるものとして、いびきは憎いものに違いなかったと思われます。
2)松尾芭蕉
「とこにきて いびきにいるや きりぎりす」(「奥の細道」より)
漂泊の俳人といわれて、あちこちの宿や家にも宿泊したと思います。鼾の音で、家の人数や男女や年齢を松尾芭蕉はかぎわけたかもしれませんね。池松先生の本だと、忍者は狸寝入りしている人のいびきもかぎわけたそうです。
●日本現代文学からのいびき話
松本清張作「いびき」(『佐渡流人行』(新潮文庫)収蔵)は、いびきをかいてしまう牢屋に入った若者の心理を書いています。
●ハリウッドからのいびき話
結婚離婚を繰り返したハリウッドの大女優のエリザベス=テーラーは、年齢とともに体格もふくよかになり、それによるものかいびきをかくようになり、夫から離婚請求と同時に多額の慰謝料を求められたと池松先生の本は書いてあります。当院にも昔の名女優といわれる患者様が来院なさいます。今はかわいいおばあちゃんですが、昔の写真をネットで見てスタッフはあまりの美しさにびっくりしています。特徴的なのは、銀幕の女優さんといわれるかたは、顔がともかくちっちゃいです。加齢によるものもありますが、美人女優さんは顔の小ささが実はいびきの原因と思えることもあります。
参考「今度こそ治るいびき~8000の症例が教える静かな眠りの実践法」1998年,pp176-86 池松涼子 PHP研究所
いびきの解剖学
口蓋垂
口蓋垂は「のどちんこ・のどちんぽ」ともいわれます。ネット上はのどひこ(喉彦)ともいわれているようですが、聞いたことはありません。上舌ともいわれているようですが聞いたことはありません。口蓋垂は軟口蓋の後端正中部において乳頭状に、ちんこのように下垂している部分です。先端が2分割している口蓋垂は、二分口蓋垂といい特に機能的にはもんだいありません。いびき・閉塞性睡眠時無呼吸外来で口腔内の状態を観察しているときに、よくみつけます。閉口時や軽く口を空けたときでは、舌根部に触れて口峡を左右に分けています。口蓋垂筋は口蓋垂の中で上下方向に走行する筋肉です。口蓋垂筋は小口蓋神経に支配されています。口蓋垂は弛緩状態では息を吐いただけで、確かにちんぽのようにぶらぶらと動揺しますが、この筋の作用により短縮されて見た目の大きさを小さくします。生まれついてから口蓋垂(のどちんこ)が長く垂れ下がっている場合は過長口蓋垂といい、老化や肥満によって口蓋垂の奥の粘膜が長く垂れ下がっている場合を軟口蓋過長といいます。これらが原因で気道が狭くなってしまい、呼吸時にブルブルと震えていびきが発生するのです。のどちんこは軟口蓋から垂れ下がっている、口内の上にある小さな身体の一部で、我々が食べ物を飲み込む際に、それが鼻の方に上がってしまうのを防ぐのが主な役割です。大切ですよね。
口蓋垂の働きは、口蓋帆挙筋とともに咽頭腔の閉鎖に重要な働きを果たし、発音を助けるともいわれています。口蓋垂は、嚥下において舌を口蓋に押し付けながら、食塊を後方へ輸送して、軟口蓋の筋群が収縮して、鼻咽頭閉鎖が行われます。口蓋垂が咽頭後壁に圧迫されることによって食塊が鼻腔に入ることなく、円滑に嚥下できるのです。この機能により逆立ちをして嚥下しても食塊を胃へ送ることができます。口蓋垂(のどちんこ)が咽頭後壁に圧迫されることにより、食塊が鼻腔に入ることはなく、円滑に嚥下できます。いびきで口蓋垂を切除されると、当然これらの機能はなくなりますので注意してください。
軟口蓋
軟口蓋は口腔と咽頭を分ける口峡の上壁を構成する軟組織です。後縁は中央部に下垂する口蓋垂とともに口峡峡部の上縁を形成して、可動性を持って船の帆のように緊張・弛緩することより口蓋帆とも呼ばれています。
軟口蓋に作用する筋
・口蓋垂筋:口蓋垂の短縮。
・口蓋舌筋と口蓋咽頭筋:口蓋帆を下制し緊張させ口峡を狭くする
・口蓋帆挙筋と口蓋帆挙筋:口蓋帆を挙上させ、緊張させ耳管を拡大する